ツタヤな日々

自閉な日々

asdでsadな日々の記録。

📕19-14夢を与える/綿矢りさ

高飛車で、汚らしい。

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あらすじ

日本人の母とフランス人の父の間に産まれた夕子。赤ちゃんの頃からチャイルドモデルとして活動し、幼少期を経て、事務所にスカウトされる。その後は夕子の成長と共に撮っていくチーズのCMを軸に、少しづつ仕事を増やしていく。

レースクイーンで組まれたユニットのメンバーが亡くなったお通夜の可憐な映像が話題になり、高校入学と同時にブレイク。

仕事が忙しくなり、学校では寝て過ごす生活を続ける。高校3年生になり、大学受験のため仕事量を調整。受験の為に増やした時間で、初恋をした夕子。恋に盲目な夕子は、母親や事務所の忠告を聞かず、彼氏とのSEXに明け暮れる。その結果、夕子了承の下撮られたハメ撮り映像が流出し、事務所の力を持ってしても揉み消せないスキャンダルに。

夕子の成長と一緒に撮っていきたいといわれたCMも続編が撮られる事はなく、いつのまにか夕子の仕事はなくなっていた。

事務所は、ハメ撮り映像に映ってるのは夕子ではないと、否定の立場を貫いていたが、夕子が体調不良のため入院していた病院で、記者に真実を話す。

特大スクープを取材し終えた記者が外に出ると、午後からの細かい雨が斜めに降っていた。

抜粋

「夢を与えるって、どういう意味なの?」

 

「ゆーちゃんが輝いてる姿を見て、私も輝こうと誰かが思ったりすることだよ。またはゆーちゃんがたとえばスチュワーデスとかいろんな職業の人を演じることによって、私もこんなことしたいなと思ったり、アイドルになりたいと思ったり」

 

「じゃあ直接スチュワーデスの人とか看護婦の人がドラマに出たらいい」

 

「そしたらドラマじゃなくてドキュメンタリになるだろ」

 

「いや、ごめん。ゆーちゃんはかしこいな。でもそれじゃ夢ではなくなるんだよ。じっさいの仕事は単調だったりしんどかったり、働いている人は仕事に精いっぱいだからその人自身はそんなに輝いていない。それに現実はドラマみたいにおもしろいことばっかりは起きないんだ。だからドラマで魅力的な主人公が魅力的な異性と出逢って、おもしろいハプニングや切ないエピソードを起こして、視聴者にもしかしたら自分の日常にもこういうことがあるかもしれない、って思わせるのが、夢を与える人の仕事なんだよ」

 

「じゃあ夢っていっても本当の夢じゃなくない?嘘ばっかりじゃない?」

 

「そう、嘘ばかりだ。だから夢なんだよ」

評価

☆☆