この映画はやばい。観る前から自分好みな予感はしてたけど、これほどだとは思わず。「銭湯図解」を読み終えた後に観たから胸熱にブーストかかった。主人公の不器用な性格は自分を見てるよう。序盤は休職前を思い出して鋭い刃物で心臓をえぐられまくったけど、それでも観てよかったが勝る。主演の松本穂香を始め、キャストも最高。並の映画なら間違いなく1位の忍成修吾の役どころを差し置いたのは渡辺大知。「勝手にふるえてろ」以来の2回目なんだけど、たまらなく好き。自分が持ってないもの全て持ってるのはもちろん、自分が女だったらこういう男と結婚したい。冷たい東京の下町の温かさに心が沁みて、映像を眺めてるだけで心が浄化されていく。気付いたら涙流してた。
自分は光をにぎつてゐる
いまもいまとてにぎつてゐる
而(しか)もをりをりは考へる
此の掌をあけてみたら
からつぽではあるまいか
からつぽであつたらどうしよう
けれど自分はにぎつている
いよいよしっかり握るのだ
あんな烈(はげ)しい暴風(あらし)のなかで
掴んだひかりだ
はなすものか